第2章 戦国武将
「…で、どうする?始末するか?」
襖にもたれかかるようにして
立っている、切れ長の目をした人が
怪しげな微笑みで俺を見ながら呟く。
どうやら素知らぬ奴の今後を
眠っている間にもどうするか話していたのだろう…
本人が目覚めた今、尚更どうするか決めなくてはならない。
「 見た目は怪しいがこんな怪我までして信長様の命を救った奴だぞ。喋れるまで様子見でいいだろ。」
「 せめてお話だけでもと思ったのですが…喋れないとなると難しいですね…。」
政宗と呼ばれる人が庇うような言葉を投げかけ、その後に発した物腰が柔らかそうな人は険しい顔をする。
「…信長様は何て言ってるんですか、」
「 信長様は回復次第、軍議に参加させてそこで全てを聞くと…それまではここに置いておくと申された。」
俺の診察をした家康と言う人と
意識を手放す前に駆けつけていた声の主…
ー 織田信長の側についた戦国武将は…
あぁ…豊臣秀吉。
俺はどうやら本当に戦国時代に
タイムスリップしたらしい。
ここに居る人達はみんな
教科書で習った歴史上の人物だ。