〔 イケメン戦国 -生意気な少女?の異世界物語- 〕
第1章 始まり
「 ふー、ここまで来れば良いでしょ 」
軽く息を整えて、後ろを見る
光を当てても見えない人影に追ってきていないと感じた
( 振り切れたけど…どうしよっかな )
持っているのは鞄と、鞄の中にある
スマホ、お茶、買った雑誌、パンフレット、財布、軽い化粧品、軽食 ぐらい
「 あー…タオル信長さんに渡したまんまじゃん、
取った時に返してもらったら良かったなー 」
ため息ばかりの夜。しかも暗い森?の中で一人。
( ど う し て こ う な っ た ) としか言いようがない
「 …だめだ、眠い 」
ぐるぐる考えていると時間と共に眠気が襲ってくる
カクンと頭が揺れたことが自分でも分かるくらいにヤバかった
( もう、寝よう… )
流れるように腕を枕にし、自然と瞼が落ちていく
夏のはずなのに肌寒いと感じるのは
きっと自分たちの居る時代が暑いせいだろう
鞄をすぐ近くに寄せ、隠れるように身を丸めて眠った
そこに通る1匹の馬と眼帯の男。
クンと匂いを嗅げば、寝ている七海を見つける
???「 秀吉ー、こいつじゃねぇのか? 御館様の… 」
秀吉「 …こんな時に呑気な奴だ。危機感のかけらもないな 」
???「 まぁ確かに度胸があるな 」
口角を上げ、七海を見つめる
秀吉「 とにかく連れて行くぞ……言葉は女らしくないが
ふざけるな と叫んだおかげで手間が省けた 」
ヒョイと七海と一緒にあった鞄を抱え、馬に乗りなおす
それを横目に笑う男
???「 あれは傑作だな。こんな夜に叫んでたら居場所明かしてるのと同じだ 」
秀吉「 政宗、少しは警戒しろよ。」
政宗 そう呼ばれた男は青い瞳を月光りと共に照らされ
その瞳を細める
政宗「 分かってるさ。…なんせ、未来 から来た客なんだからな 」
一方…
七海は起きることはなく、見つかっていることにも
気づかないまま眠り続けていた