〔 イケメン戦国 -生意気な少女?の異世界物語- 〕
第1章 始まり
「 …っいった、てかあっつ… 」
目を覚ますと、何故か畳の上にいた
( …? 何で畳? 私外にい、て… )
顔を上げると、目の前には火
燃え上がる火は辺りをどんどん焼き尽くして七海の方へ近づいていた
「 はぁーーー!? っ、ゲホッゲホッ 」
( 火事!? 何で? と、とにかく逃げ… )
横を見ると、視界に入ったのは黒い甲冑
それに近づく人影
( 誰か、いる…? )「 あ、あの!! 」
その声に反応すると人影は去っていってしまう
「 え、ちょっと! 」
( 普通置いていきますー? 助けろよ!! …あの甲冑は? )
恐る恐る近づくと、そこにいたのは男の人
「 …えっと、あのー 」
肩を揺さぶっても起きる様子がない
( もしかして気失ってる? 早く起こさないと… )
ガシャン と崩れていく壁や襖
このままだと、死ぬ
背筋が凍った
「 …ちょっと!!早く起きて! このままじゃ死んじゃうって! ……あぁもう! 」
( こうなったら…! )
力任せにその人の肩を持ち上げる
「 おっも…! 」
普段男性を持ち上げる機会なんてないせいかヨロヨロで歩き始める
( …あ、バック! これ以上煙すったらこの人本当に危ない…! )
幸い鞄は自分のいた場所に落ちていた
私はその中からタオルを取り出して、その人に巻き付けた
「 っ…出口どこ…!? 」
気づけば辺りは火で囲まれかけていた
どこかに…! そう視界をさまよわせていると、
???「 …? 何者だ、貴様… 」
と声が聞こえた
「 あ、良かった目覚めたんですね! …じゃない! ねぇ、出口知らない!?
早くしないと燃え尽きちゃう!! 」
???「 ……そこの隙間へ出て右に曲がれ、階段を下れば見えてくる 」
「 おk! てか歩けそうなら歩いて、流石に重い 」
???「 …フッ、俺にそんなこと言うとは…変なやつだ 」
「 あのねー…こっちは助けてんだから!! あと、煙吸うからそのままタオルで口押さえててよ!! 」
言い聞かせて無理やり持ち上げる
その人の言う通り、案外すぐに出口が見えた