第2章 出会い
それにしても、この人、
「近くに来ると余計小さいですね。」
「なっ!?小さくないですよ!!」
「いや、普通に小さいじゃないですか。」
「い、入野さんだって小さいです!!」
「それは今関係無いだろ!?」
「だって入野さんがそういうこと言うから!」
「はいはい、2人して小学生みたいな言い合いするのはやめようね〜。」
神谷さんはそう言いながら俺と高梨さんの間に入った。
ふと高梨さんの目を見ると、あっちも俺のことを見ていた。
そして、お互い同時に笑みをこぼした。
「初対面でこんなにくだらない喧嘩したの初めてですよ!」
「俺も初めて。自分がこんなに幼かったとはね。」
「でも入野さんとは仲良くなれそうです。私のことは呼び捨てで構いませんので!」
「了解。じゃあ伽菜って呼ぶわ。俺のことも自由でいいから。」
「じゃあ自由さんと呼ばせてもらいますね。」
「お2人さんが仲良くなったところで、これから飯でも行かない?」
「いいですね!俺めっちゃ腹減りました。」
「私はLIVEの打上げがあるので、途中参加でもいいですか?」
「いいよ。じゃあ後で場所とか連絡する。他に暇そうなヤツ誘っとくよ。」
「はい!楽しみにしてます!」
「じゃあ自由、行こうか」
「はい。また後でな、伽菜」
「ばいばい、伽菜」
「お2人ともまた後で!」
--------------------
俺と神谷さんはまたタクシーに乗り込む。
「…神谷さん。」
「ん?」
「俺わかった気がします、あの子の魅力。」
「だろ?」
「ありゃ人気になりますよね。」
「どんなに人気になっても飾らないところが伽菜の魅力だからな。」
伽菜とはうまくやっていけそうだ。
直感的にそう思った。
いや、仲良くしたい。
俺がそうしたい。