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君はヒロイン。

第2章 出会い


神谷浩史side

行きつけの個室の居酒屋につき、俺と自由は先に注文を済ませた。

「江口は夜なら暇だって言ってたな…誘ってみるか。」

「そうですね。他には…かっきーさんとか誘ってみます?」

「うん、頼む。」

俺は江口に電話をかける。
江口は2コールもしないうちに電話に出た。

『神谷さん!飲みのお誘いですか?!』

「うん。今から自由と飲むんだけど来る?」

『行きます行きます!場所はいつものところでいいですか?』

「そう、そこ。じゃあ待ってるわ。」

『すぐ行きますね!』

「江口は来れるってさ。」

「かっきーさんもすぐ来れるそうです。」

「暇人ばっかだなぁ…。」

「みんな昼は忙しくしてるじゃないですか。」

「まぁそうだな。」

LIVEが終わってからの自由はなんだか機嫌がいい。
伽菜のことをそんなに気に入ったんだろうか。

…それは少し困る。

仕事としてなら全然問題ないんだけど。
1人の女性として気に入られると、僕が困る。

最初に彼女の魅力に気づいたのは僕なのに。

「ねぇ、伽菜のことどう思った?」

「もっと知りたいなって思いました。あの人すっごい面白い。」

「それだけ?」

「まぁあとはさすが人気者、めっちゃ可愛いなって思いましたよ。」

自由はそう言いながらクシャッと笑った。

男ならそういうこと考えて当然か。

…お願いだからそれ以上は何も思わないでくれ。

自由がライバルになるなんて、そんなの辛すぎるだろ。

「神谷さん?どうかしました?」

「いや、別になんでもない。」

「そうですか。」

とりあえず、この思いだけはバレないようにしよう。

今までずっと隠し通してきたように。
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