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君はヒロイン。

第2章 出会い


「やぁやぁ、飲んでますか?」

「かっきーさん!早いっすね。」

「やっほー、かっきー」

「こんばんは。たまたま近くで仕事があったからね。」

「江口ももうすぐ着くみたいだよ。」

僕がそう言ったところで、続けてドアから人が入ってきた。

「こんばんはー!って、かっきーさんもいるんですか!」

「なんだよ、不服か?」

「いや!色々なお話が聞けそうで嬉しいです!」

「まぁとりあえず適当に座りなよ。」

「失礼しまーす。」

そう言って江口は僕の隣に、かっきーは自由の隣に座った。

「とりあえず生頼んどいたけど大丈夫ですか?」

「おう、サンキュー。」

「お2人は今日は仕事が一緒だったんですか?」

「いや、今日は伽菜のLIVEに行ってて。」

「あ、今日でしたね!行きたかったな〜。」

「俺も伽菜に誘われたけど行けなかったんだよな。」

「LIVEどうでしたか?」

「すげぇ良かったよ。さすが伽菜って感じ。」

「昔からアイドル性がすごいですからね〜。」

「じゃあ沢山褒めてやんねぇとな。」

「後で伽菜も来るよ。」

「マジすか?早速褒めてやる機会ができた。」

「3人は伽菜とは知り合いなんですか?」

「そう。僕とかっきーは仕事で知り合って、江口は幼馴染み。」

「自由くんは今日初対面だったの?」

「そう。名前は知ってたんだけどね。」

「こいつ、LIVE終わってから伽菜にゾッコンだよ。」

「えっ、そうなんですか!?」

「…まぁそうかも。」

なんだよ、自由らしくない。

いつもなら『何言ってるんですか、神谷さん!』って突っかかってくるだろ。

そんな反応されると困る。

「いくら自由でも伽菜に手出したら許さねぇから。」

「分かってますよ、かっきーさん。」

「かっきーは本当に伽菜の保護者みたいだよな。」

「可愛くてたまんねぇんすよ。」

「分かります、それ。」

…あぁ、ダメだ。

余計なことを考えると心が沈んでしまう。

伽菜は俺のものじゃないのに。

…今は酒に身を任せよう。
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