第2章 出会い
「あ、江口。おはよう。」
「神谷さん!おはようございます!」
「江口さ、来週の火曜って暇?」
「何でですか?もしかしてご飯連れて行ってくれるんですか!?」
「違う。」
「えー…だったら何でですか?」
「伽菜にLIVE見に来ないかって誘われて、江口もどうかなって思って。」
「そういうことだったんですね!でも僕その日は夜しかあいてなくて…すいません。」
「そっか。わかった。」
「ご飯とか飲みならいつでも行けるので誘ってくださいね!」
「お前は本当にさぁ…」
俺が呆れながら江口のことを笑っていると、スタジオのドアが開いた。
「あ、自由。おはよ。」
「神谷さん!おはようございます。江口もおはよー。」
「自由くんおはよう!」
「神谷さん、江口に何の話してたんですか?」
「ある人のLIVEに来ないかって言われたから一緒にどう?って誘ってたとこ。江口は来れないみたいだけど。」
「ある人って?」
「高梨伽菜。自由は関わりないよな?」
「そうですねー。でも名前は聞いたことありますよ。デビューしてまだ少ししか経ってないのにすごい人気があるって。実際に歌聞いてみたんですけど、凄くいい声してますよね。」
「自由は本当に演技とか歌に関しては勉強熱心だよな。」
「神谷さん、もし良かったら俺のこと連れて行ってくれないっすか?」
「来週の火曜日だけど大丈夫?」
「はい。その日は朝に1個仕事が入ってるだけなんで。」
「じゃあ一緒に行こうか。」
「よろしくお願いします!」
自由は目をキラキラ輝かせながら笑った。
本当コイツも演技のことに関しては誰よりも貪欲だよな。
演技力も相当あるし、抜かされないように頑張らないと。
「いいなぁー。俺も行きたい。」
「江口は仕事してればいいよ。」
「自由くんひどい!!仕事好きだけど!」
「ならいいじゃん。」
「それとこれとは別なんだよぉぉぉ」
そんな江口の悲しそうな叫びがスタジオに響き渡る中収録が始まった。