第19章 近過ぎたキミ④(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「姫凪ちゃん、こっちに戻って来よう?
多分だけど、あの女子は
気付いてる
このまま行けば二人の事を
バラすかもよ?
姫凪ちゃんが戻れば
平和に終わるんだ…分かる…?」
苦しい、よな…
息もできない位…
「姫凪ちゃん、おいで…?
チョット落ち着こうか」
姫凪の肩を抱いて
パーキングに向かって歩き出す
さすがにホテルに連れ込むわけには…な。
じゃあ、どうすんべ?
「なぁ、腹減ってる?」
小さく横に振られる首
「行きたい所は?」
また小さく横に動く首
「じゃあ、俺の好きな所に
連れて行くぞ!
後悔すんなよ!」
結局連れ込むのか、って?
違う!
俺はそっちを選ばない
心を折るだけなら
抱いちまえば早かったんだ
この子なら
それだけで落ちただろう
それをしなかったのは…
「星でも見に行くか!」
お前が"穢れた"と泣くのは
避けたかったんだ
戸惑う姫凪の手を引いて
パーキングまで戻り
車に乗せる
「夜景の時間までドライブ、ってのも
良かったんだけどな
遅くなると心配するだろ?
プラネタリウムで我慢してな?」
返事は…なし、か…。
抜け殻みたいに
なった顔に痛む心を
また叱り飛ばして
車を走らせた