第19章 近過ぎたキミ④(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「繋心大丈夫かな…
身ぐるみ剥がされてなきゃ良いけど…」
少し不安を抱きながらも
強めのカクテルで
ふらつく身体を引き摺って
家に帰った
ふかふかの布団の中
思い出す姫凪の顔
さっき別れたばっかの
オンナの顔も名前も
もうボンヤリしてんのにな。
姫凪
今もまた抱かれてるのか?
俺の匂いはもう上書きされたのか?
なぁ?
来いよ、隣に。
そっちには
未来なんかない。
思ったより二日酔いしなかった朝
休みだし
予定ねぇし
痛くて動けねぇくらいでよかったのに
「上手く行かねぇなー…」
ゴロリと寝返りを打って
携帯に手を伸ばす
「来てるわけねぇか…
泣かせた…もんな…」
姫凪から来るはずない
下手したら
もう逢いたくないとか
思われてるよな
俺は逢いたい…デス
[今日も元気に学生してる?]
送ったけど既読は付かない
「便りがないのは…
とか…誰が言ったんだよ…
元気な証拠だろうが
こっちの元気はなくなるわー…
逢いに行ったらウザい?」
携帯に話しかけるとか!怖いわ!
繋心のトコに冷やかしに行く?
タバコに火を付けて
煙を天井に向けて吐き出し
「動きますか…」
どっこいしょ、とか言っちゃう事に
苦笑いを漏らしながら
タバコを揉み消し
風呂場に向かう
熱いシャワーは
スッキリするけど
心のモヤモヤは晴れない