第19章 近過ぎたキミ④(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「へ?岩ちゃん?」
オレからの遠まわしな牽制に
一瞬固まる嶋田さんの顔
「幼馴染でね?
いい男なのよ〜!ねぇ?」
居るんだよ。オレ以外にも。
姫凪を好きなヤツなんか。
これからもきっと出てくる。
居るんだよ。アンタ以外にも。
母ちゃんのお気に入りはさ。
だからもう
「そうだよ
うちの姫凪は
可愛いからモテるしね!
候補なんて星の数だからね!」
アンタの枠なんかない。
出てけ。
来るな。
オレのオンナに
近付くな!
ただ、必死だった。
もちろん岩ちゃんも
ライバルになったら
強敵だし
岩ちゃんなら、なんて
悪いけど絶対思えない。
でも、オレの第六感が
一番ピリピリするのは
後にも先にも
「じゃあ、死物狂いで
一等星にならなきゃね?
俺、姫凪ちゃん好きだし
歳の差(ハンデ)は燃えるしね」
この人以外に居ないだろう
「『!?』」
あまりにもドストレートで
ありあまる向上心
牽制なんかで止まらないって?
いや、止まる気ないのかな?
「驚いた顔も可愛いね〜
その顔独占出来るオトコが
羨ましくもあり
…憎らしくもあるよな」
黒い笑顔に背筋が寒くなる