第19章 近過ぎたキミ④(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「…バレーが忙しいからね!
彼女出来るヒマないよ!
でも、それは岩ちゃんもだよ?
あ!でも岩ちゃんが姫凪を
今日デートに誘ってたよ?
姫凪もオッケーしてたしさ!
浮かれ過ぎ無きゃ良いんだけどな」
ごめんね
岩ちゃん、姫凪。
「え?そうなの?
やだ!それなら
姫凪に悪い事したわね…
岩ちゃん怒らないかしら…」
母ちゃんの頭から
嶋田さんを
オレとの疑惑を追い出すのには
「さぁね?
でもこれからは岩ちゃんに
頼めばいいじゃん?
岩ちゃんとオレで教えてあげるしさ」
これしかなかったんだ
「そうね、それが良いわね
また岩ちゃんつれてきなさいよ
揚げ出し豆腐作ってあげるからって」
すっかり通常運転になった
母ちゃんに
"分かった"と応えて
自分の部屋に戻った
「なぁにやってんだかね…
姫凪、大丈夫?
何もされていないよね?」
ひんやりした壁に
背中をあずけて
ポツリと呟く
壁一枚なのに
姫凪が遠かった
たまに耳に届く様な
気がする
ベット軋む音を掻き消す様に
ヘッドホンをして
対戦相手のDVDとか見てみるけど
なんにも頭に入って来やしない
「…早く…終われよ…
姫凪…抱きたい…
全部全部…上書きして
オレに染めたい……」
机に突っ伏して
涙を流し
悪い考えも流れてしまえと
願いながら
晩御飯の時間を待った