第17章 近過ぎたキミ②(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「あれ?青城の?」
なんの偶然?
会いたかったのは
こっちじゃねぇよ神様。
って。
お客様だっつの。
「姫凪ちゃんのお兄ちゃん
姫凪ちゃんの御見舞?
……に、納豆はないわな〜
お遣いかな?及川くん」
落胆を隠して営業スマイルを
作り直して
話しかけると
「あの…うちの妹に…なに…」
ピリッとする空気
「ひきわり納豆はこっちですよー
普通のひきわり?
それともきざみ納豆のがいいのかな?」
おい、その空気なんだ?
さっきの今だからな
「いや…だから…
うちの…姫凪とは
どういう…」
俺も結構敏感になるわけよ。
姫凪の落ち込み方とか
及川の、この張り詰めた感じとか
「はい、こっちこっち
お兄ちゃん!
ひきわりときざみ
メーカーはここが
オススメですよー」
「あー…どうもでーす★」
隠してるみたいだけど
超絶に不機嫌な
そのオーラとか、ね。
色々、邪推出来過ぎて
困るわけよ。
「可愛い妹だねー
モテるでしょ?
気が気じゃないんじゃない?」
ニコリと笑いかけると
「…お、オレの妹に
軽々しく手を出す
バカな男は青城には居ないんで。
自他共に認める過保護なんでー」
さっきまでの不機嫌なオーラは
すっかり薄らいで
サラリ、と笑顔で返してくる
あれ?勘違い?
なら、悪い事したかな。