第16章 近過ぎたキミ(及川徹)⚠兄×妹R18⚠
「ごめんごめーん
部屋でイッパイ撫で撫でしてあげよう
姫凪、行こう?」
壊せないよ
大事なキミだから
大切に大切に
抱き締めるよ
いつかこの手を離れる日まで。
あんなに寝苦しかったのに
布団の中で
姫凪を抱き締めた途端
心地よい体温に寝落ちて
気付いたら耳元でアラームが鳴ってた
まだ眠る姫凪を離して
そっと部屋を出る
あたかも今までリビングで
寝てた様なフリをして
グシャグシャの毛布を
ソファーの上に畳んで置き
母ちゃんが起きてくるのを待った
「あら?徹早いのね」
「ソファーじゃ熟睡出来ないよ
母ちゃん腹減ったー
あ、今日岩ちゃんとさ…」
いつもと同じ会話
鼻をくすぐるコーヒーの香り
お腹を満たして
鏡の前で支度をしてると
「徹ー、姫凪起こして来て?
今日日直って言ってたから」
母ちゃんがお弁当を
詰めながらオレに話しかけて来た