第16章 近過ぎたキミ(及川徹)⚠兄×妹R18⚠
「…クッ!姫凪…ッ!」
ティッシュに吐き出した欲に
混ざる溜息を
ゴミ箱に投げ捨てた
自慰行為を終えて
立ち上がろうとすると
『お兄ちゃん?
起きてる??』
ドアの向こうから
姫凪の声
ウソ!いつから居たの?!
オレの声、聞かれてない?!
焦って返事が出来ないで居ると
『ごめん…入る…ね!』
えぇーー?!
入って来るの?!
どうする?!
出て行く?!
薄く開くドア
『…寝ちゃった?』
「………ンン…」
寝た振りしちゃったよ!
何してんのさ!オレ!
起きなきゃ
ご飯食べられないじゃん!
せっかく姫凪が
作ってくれたのに!
起きるタイミングを
伺ってると
『お兄ちゃん…
ごめんね…バカとか
言っちゃったの…ウソだよ…
お兄ちゃん…大好き……
仲直りしたい…』
布団一枚隔てて
姫凪の涙声が聞こえて来る
ズキッとする胸
姫凪の大好きが
大好きなのに
涙声でなんか聞きたくないよ
起きてオレもゴメン…って?
え!?
ちょ、待って!?
起きるタイミングは
姫凪の予想外の
行動に吹っ飛ばされた