第15章 ♢先取りサプライズ(黒尾鉄朗)生誕記念 完結
その上
俺を喜ばせようとだけ考えたのに
自滅みたいになってる
そんな所も可愛くて仕方ないのに
『ゴメンナサイ…!
…嫌わないで?』
全く無自覚で
言葉が少なくなった
俺のご機嫌を伺ったり
「嫌う?嫌うように見えるんですかァ?」
『分からない…から
お願いしてます…
隠し事とかしてゴメンナサイ』
虜になる要素しかない事に気付かない
天然ぷりを発揮しまくってるんだぜ?
もう堪んなくね?
俺にだけ見せる素のオンパレードなんて
どんなサプライズよりも
撃ち抜かれるってもんだろ?
「なァ、姫凪?」
俺の声にビクリと肩を揺らす
姫凪を
抱き締めると
『鉄朗…?』
不安そうに俺を見上げる