第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
フワリと香る匂いにも
ズキズキする痛みにも
きっとその内慣れてしまう。
今はただ無心でバレーを…
そう思ってた…のに…。
「…これは、帰らないとダメだな」
「大丈…」
「ダメだ!大怪我する前に帰るんだ!」
後頭部の次は
顔面でボールを受け止め
流血とか
なんの嫌がらせかと思う。
しかも倒れた時に
着いた手首が少し痛い
しかもそれがバレてるとか
「念の為に
病院行っておきなさいよ」
「ウス…」
本当にナイ。
渋々帰る用意を整え
家に戻る
大丈夫だと思ってた手首は
やはり少し痛いし
再び外へ出て病院へ。
すると
ナイ事だらけの今日に
トドメを刺す
「…うわ…マジかよ」
最悪の出会いが転がっていた。
同じタイミングで
診察券を出したのは国見。
「怪我?」
「別に…大した事、ねぇ
そっちこそ…」
「俺も別に大した事ねぇけど…
及川さん達に追い出された」
手首をさすりながら
憮然としてる国見