第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
震えて中々整えられない制服
足も小刻みに震えてる
それでも俺は
布施に触れる事も
手を貸すことも出来ずに
ただ去るのを待つしか出来なかった
『…さよなら』
フラフラ出て行く背中は
小さくて
抱き締めたくて堪らない
"悪かった"
たったそれだけの言葉も言えず
ドアの閉まる音だけが
耳に響いた
次の日
布施が学校を休んだ事を
山口から聞かされた
「御見舞行こうよ、ツッキー
プリントも届けないと駄目だしさ」
「なんで僕が。
面倒くさいよ
山口が行けば良いでショ
てゆっか、王様が行けば?
家知ってるんだし
ねぇ、行ってきてよ」
部活終わり帰り支度をしてた
月島が俺にプリントを差し出してきた
別に断る理由は俺にはない
けど…
「自主練して帰る…から…」
布施はきっと
俺を断る理由しかないだろう。
「そうだよ、ツッキー
遅くに押しかけちゃ
布施さん家も迷惑かも…」
「は?今更何言ってんのさ
いつも自主練終わり
送っていってるじゃん」