第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
『明日…学校に持っていく…』
これ以上
後ろの声も
影山くんの声も聞きたくない
短く答えて
電話を切ろうとすると
〈…!!布施か!?〉
驚いた声の後に
〈すぐ行く!待っててくれ!〉
異様に明るい声
『明日じゃ…』
〈今すぐ!じゃあな!〉
一方的に切れた通話
明るい声が痛い
会える事が苦しい
いっそのこと
叔母さんに丸投げして
引きこもってしまおうか…
そんな事まで考えるのに
立ち上がる気力も起きないまま
時間だけが過ぎていく
「姫凪どうしたの?
ご飯出来たよ」
『あの…ね、影山くんが…』
そこまで言った時
鳴ったインターホン
「こんな時間に誰かしら?」
押したのはきっと影山くんで
目的は私が握ってる携帯
全部分かってるのに
まだ足は動かない
「姫凪出てくれる?
セールスだったら
面倒だから」
『え、でも…』
「ほらほら、早く」