第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
『ちょ、影山くん!』
「気になんだろ!
…えっと…用事が出来たので
ご飯は温めて一人で食べて下さい
ごめんね
…なんだこれ?」
読み上げると
布施の顔がドンドン赤くなって行く
「おい、顔赤いぞ
熱出て来たのか?」
おデコに当てた手に
潤んだ目で固まる布施が
『だ、だって…叔母さん来ないとか
思ってなくて…
その、二人きり…』
しどろもどろに言葉を繋ぐ
二人きり?
そりゃ俺とコイツしか居ねぇから
そんなの当たり前…
俺と…布施…だけ?
邪魔者ナシで
二人きり…って事は
何してもオッケー…?
「…ラッキー」
『ラッキーってなに!?
ヤダ…どうしよう…
連れ込んだみたいになってる…
ゴメン…影山くん…』
顔を真っ赤にしたまま
カウンターに倒れ込む布施
長い髪がサラサラと
制服の上を滑り落ち
その隙間から
白くて綺麗な頸が覗いた