第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
教室から数人の女子に囲まれて
出て来たのは
『ありがとう…
でも、大丈夫!
ちょっと寄りたい所あるから
また今度一緒して!』
「布施?」
布施 姫凪
俺が会いたいと思っていた
アイツだった
『…影山くん?!
影山くんだよね?!
え、なんで烏野??』
「いや、あの…」
『てっきり青城に行くんだと思ってた…
そっか、烏野なんだ…』
「…あぁ。
お前こそ、青城じゃねぇのか?
バレーは…」
『…ごめん、ちょっと行くところあるから
またゆっくりね』
俺の声に少しだけ顔を顰めて
布施は去っていった
この時は知らなかった
布施がもうバレーボールを
していない事も
烏野を受けた理由も
ただ単純に
再開を喜びを噛み締めていた
日向に遅れて体育館に入り
練習に混ざっていると
「じゃあ、ここで見ててね
流れ弾には気を付けて」
清水先輩の声が耳に届く
新入部員か?
何気なく声の方に目を向ける