第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
うん。
最高に幸せだ。
「そんなんで良いのかぃ?
せっかくの誕生日なのに…」
幸せの中に混ざり込む
申し訳なさを
『当たり前じゃん!
だって徹の時間は
お金じゃ買えないもん
高校最後の誕生日だし
部活もないから
学校終わったらすぐ
一緒に居られるとか
凄く嬉しいもん…
どんなプレゼントより
サプライズより
嬉しいよ、徹…』
搔き消す
愛しく甘い声
「ホント、どこまで俺を
虜にするのさ。
じゃあ、次の俺の誕生日も
姫凪の時間を
プレゼントしてもらおうかな?」
『え!?それはダメ!
お料理とかプレゼントとか
色々考えて…』
「嫌だね」
姫凪の声を遮って
「次の俺の誕生日は
卒業後だから
今より時間は貴重になるよ
それでも俺の為に
その日一日
時間を作ってくれるかい?」
ギュッと抱き締める
『当たり前…じゃん』
「よかった。
この先もお互いの誕生日は
そうしようか?
結婚してもずっと、ね
これからもそばに居てくれる?」