第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
その声に重なる
「及川くん、大丈夫?
なんか凄い音したよ…
タオル冷やして来ようか??」
高い声
振り返ると
よくバレー部の練習を見に来てる
女の子が
心配そうな顔して立ってた
「え?えっと…」
確かまっつんと同じクラスだったよね?
教室に遊びに行った時にも
見た事ある様な…
でもきっと名前までは……
「自己紹介したけど…」
聞いてたっけ!?
やばい!
全く記憶にないよ!
メッチャ失礼なヤツじゃん
なんとか思い出せ!
思い出すんだ!
思い出~せ~…ないっっ!
「…ブッフォッ!
無理しなくて良いよ?
印象薄いのは自覚してるから」
頭を抱える俺を見て
ケラケラ笑うその子に
「いや!顔は覚えてる!
まっつんと同じクラスだよね?」
ドヤ顔で言ってみるけ、ど…
「いや、岩泉くんと同じクラス…」
べーんっっ!
まさかの間違えてたぁぁ!
「知ってた!
いや、知らなかったけど!
あぁ、もう…ゴメン…
すっごいグダグダ…」