第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
『徹~?』
見ちゃ駄目だ…
嫌でも見ないと
手当ても出来なくて…
『足がスースーするし
ヒリヒリする…』
足、生足…!
そんなの見たら
ウチのトオルクンが…
ヤッパリ自分で手当てさせて
俺はもう一回
トオルクンを説得に…
『痛い…』
あぁ!もう!
「分かったから!
すぐ痛くない様にしてあげるから
大人しく
オ ト ナ シ ク!
ここに座ってなさい!」
『は、はい!
……痛くしちゃ、イヤだよ?』
頑張れ、俺の理性!!
姫凪を振り返り
目の前に座る
その姿をジッと見つめる
バスローブからのぞく足は
傷以外は白くて綺麗で
程よく開いた胸元は
ふっくらとした
胸を強調してる
ガン見したくなる気持ちを抑えて
「分かってるよ
ほら、消毒するから」
なるべく目がいかない様に
傷口に集中する
集中…
『…徹、だめ!
滲みる…痛い…
もっとユックリ…!!』
出来るかぁあ!
健全な高校生の男の子に
そんな邪な妄想が
育つセリフを吐いちゃいけません!