第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
ゴロゴロ戯れて来る
身体を押し倒し
「…まんまお返ししますよ
煽りまくって
生殺しにされた分
シッカリ回収しますから、ね?」
塗り直したリップが
崩れない様に
首筋にキツく吸い付いた
『ん、、はぁい…
覚悟してる
…っていうか
期待してる!
私も付ける!
京治だけとかズルーイ!』
押し倒された身体を起こし
体勢を入れ替えて
俺を組み敷き
首筋に赤い華を咲かせる
姫凪さんの瞳には
憎らしい程
幸せそうに笑う俺が映り
俺の瞳には
俺以上に
デレた姫凪さんの
綺麗な顔が映っている
「…時間が止まれば良いのにな」
時計を見て呟く俺のオデコを
指で弾き
『それじゃいつまでも
京治のお嫁さんになれないからダメ!
ほら、行こう!
特等席で応援してね!』
笑う姫凪さんと
「…それは困る」
『でしょ!』
シッカリ手を繋ぎ
抜けるドア
まだ弱い陽射しも
貴女が隣にいれば温かい
心地良過ぎるぬくもりが
繋いだ手から全身で
巡るのを感じながら
歩幅を合わせ
朝の道を二人歩いた