第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
手渡した紙袋の中には
小さな箱に入った御守りが一つ
『…普通の御守り…じゃない?
手作りっぽいし
なにか入ってる?』
小さな袋は神社で受けるソレに比べると
クオリティがイマイチで
粗悪に見えるのは
姫凪さんの予想通り
作るより受ける方が
ご利益もあるとは思ったんですが
毎日頑張って自主練をしてる
姫凪さんの為に
自分も何かしたくて
その…手作りしたんです!
不器用者が挑むと
失敗作が大量に出来て
買うより費用が嵩む事も
理想と現実にこんなに落差が出る事も
この数日で思い知りました
まぁ、そんなハンドメイド満載の
御守りでも
『京治が作ったの?
私の為に??
…ヤバっ!嬉し過ぎる…かも!』
この笑顔が引き出せるなら
買うより価値があると思ったんです
それにもう一つ
本命があるんですよ
「中身…見て下さい」
『中??
手紙…とか…
なんか照れるじゃない…』
「たまには良いでしょう?
まぁ、読んでみて下さい」
とは言っても内容は他愛もない事。