第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
私は無理だと思ってなくても
京治は…?
って!バカバカ!
無理とか思ってるわけないじゃん!
なんでも話せる仲だもん
私達に溝も嘘も遠慮もない!
[終わったよ]
頭の中を切り替えて
京治にLINEを入れると
[スグ店の前に向かいます]
即座に返ってくるメッセージ
いつも通りにホッとして
店を出る
早く会いたいな
早く来て欲しいな
待つのって
こんなに寂しかったっけな…
暗くなりかけた空を見上げながら待つ
「待ちましたか?」
息を切らせて京治が走って来たのは
私が店を出て
たった数分後だった
数分がこんなに長く感じるとか
私どんだけよ。
『全然だよ
…買い物して帰る?』
本当はメチャクチャ待ちに待ってたのに
なんか恥ずかしくて
大人ぶっちゃった私を
「そうですね
外食並みに張り込んで
豪華な夕食にしましょうか
姫凪さんの好きなもの
いっぱい買いましょうね?」
優しい声で甘やかす京治