第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
『してない』
「俺、姫凪ちゃんの彼氏の事は
あんまり知らないから
マジ余計なお世話だと思うんだけどさ…
なんか最近の姫凪ちゃん
シンドそうだなって思っちゃって…」
そんな事ない
確かにタイトなスケジュールで
寝不足だったりしたけど
京治と居る時間は
なにより大切だからで
別に無理してるわけじゃない
「アキラくんが心配してたからさ
俺もついつい気になっちゃって
彼氏を悪く言うつもりじゃないんだ
ごめん…」
黙る私に頭を下げ
「お互い大学と仕事と
生活の場所は違うわけだからさ
その辺上手いこと調節しなよ?
姫凪ちゃんバッカリが
合わせてたら身体保たないしさ」
そう言い残して出て行く
別に私ばかり合わせてるわけじゃない
京治だって
夜遅くなる私に合わせてくれたり
昼からの登校で良いときでも
私を見送るって
早く起きてくれてる
お互い無理にしてるわけじゃない
そう思えば思うほど
またズシリと重くなる胸