第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
姫凪さんが遅いなら
今日だけ侑に付き合うのも
良いと思ったんだ
遅くなるって言うのに
待ってると送るのも
プレッシャー掛けるし、ね。
[分かりました
今日は自分の家で寝ます
落ち着いたら連絡下さいね]
そう送り返したメッセージ
もし、宮侑の方が早く片付いたら
駆け付けても良いと思ってたし
姫凪さんが疲れきってるなら
押し掛けずとも
せめて"オヤスミ"を確認しあいたかったんだ
でも
「アカン…終わらんて…こんなん
なんで赤葦終わったん?
姫凪ちゃんと毎日
エロい事ばっかしてるくせに」
現実は思ったより厳しく
侑の泣き言だけが
部屋に響く
「普通にやってれば終わってる
ため込むからだろう
それに…進んでないのは
そっちの担当部分だけだろ?
集中力ないのか…」
試合中では考えられないくらいの
散漫な集中力に
呆れ果てた声を漏らすと
「…せやかて…」
侑はペンを起き
俺を涙目で見上げて
ポツポツ喋り始めた