第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
姫凪さんを送り届け
部屋に戻る
やたら寒いけど
首筋に咲く華で
気持ちはポカポカしていた
「とりあえず飯…作っておくか」
冷蔵庫にあるのは
一緒に買い出しした
食材の残り…のみ
メインが無いな
とてもじゃないけど
腹は満ちそうにない…俺の、ね。
現役引退しても
それなりに動いてるから
腹は人並み以上に減る
姫凪さんだってハードな仕事を
終えて帰って来るし
「…買い出し、行くか」
抜いだばかりで
まだ暖かいコートを
再び羽織り
散歩がてらいつも二人で行くスーパーへ
「肉…これは、安いのか?」
特売!と書かれたコーナーから
肉のパックを持ち上げ
結構する値段に目を丸くする
一緒に行くだけで
シッカリ値段を見てなかった事を
反省しつつ
【特売!】の文字を信じて
カゴへそれを運び
その後目に付いた使えそうな
食材と缶のチューハイとカクテル
「やっぱり買い物は一緒に
来ないとダメだな」
結局カナリの量になった
カゴの中に苦笑いを零し
レジへ向かった