第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「時間余ってるなら
少し歩きませんか?」
白い手を握り
「(キスする時間くらいは
あるでしょう?)」
小さく小さく耳打つ
真っ赤な顔が
お店のやんわりした照明で映えて
キスで終わりたくなくなってくる
そんな俺を制したのは
姫凪さんではなく
「…俺の買い物に付き合ってる事
スッカリ忘れとんな?
このエロ葦ー!」
宮侑の声だった
『宮…くん?!居たの?!
もう、京治ってば言ってよ!
ついつい絆されて
付いていきそうに
なっちゃったでしょ!』
「絆されてくれて
良いんですが?」
「『アカン(ダメ)!!』」
「声揃えるの逆効果
プレゼントはもう決まったんだろ
飯は要らないから
ここで解散。
姫凪さん、その辺の
ネットカフェで待ってますから
一緒に帰りましょう?」
綺麗にラッピングされた
プレゼントの納まる紙袋を見て
入り口に歩き出す
「ちょいちょいちょーい!
冷たいやんけ!赤葦!
姫凪ちゃんも何とか
言うたってやー!」
『京治、ちょっと待って』