第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「…なんとか言う?
俺が?誰にですか?
言って欲しいならハッキリ言いますが…
アナタ達が何人束になっても
姫凪の足元にも及ばない
盛りたいなら他を選ぶ事ですね
俺もあの人も
何百回出会っても
何千回誘われても
姫凪を選びますから」
これくらい言っとかないと
気が済まない
「あかーし!腹減った!
飯!!」
「はいはい
じゃあ、金輪際サヨウナラ」
ポカンとする彼女達を置き去りに
少しスッキリして
木兎さんに駆け寄ると
「…赤葦だけ姫凪と
朝からイイコトしてさ…
俺はオールで飲んで一人で
満喫で抜いたのに…」
まさかのここで
しょぼくれモード?と、思いきや
「いや、木兎さん
俺だって色々我慢を…」
「ヤッパリな!
最近なーんか気になってたんだよ!
飲みに誘ったら来るくせに
テンション高くねぇし
昨日も潰れる寸前まで
飲んでたって双子達が
さっき電話で言ってたしよー」
フェイントとか聞いてない
全く、宮ツインズめ、余計な事を…。