第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
ベットから手を伸ばし
姫凪さんに甘えた声を放ったり
「…襲いに行って欲しいですか?」
なんてドS発言してみたり。
分かってますよ
『コラコラ…煽らないの。
もうメイクしちゃったモン…』
乗ってきてくれないのは
いつもの事ですから。
「…そうですよね
朝飯、食いますか?
食べるなら俺が何か作りますから
一緒に食べて出ましょう」
グッと愚痴を飲み込み
姫凪さんに笑い掛けると
『…うん、じゃあトーストと
今日は忙しそうだから甘いコーヒー!
りんごも剥いて?
ウサギさんで!』
ホッとした様に甘えた声が溢れる
大丈夫、この声を聞けば
モヤモヤも晴れて行くし
「ウサギって…
わざとですか?わざわざ木兎さんを
連想させる物を
俺に作らせるなんて…
しょぼくれて良いやつですよね?」
『光太郎関係ない~!!
ウサちゃんリンゴがいーのー!
可愛いので元気出したいんデス!』
「俺じゃ駄目?可愛い事しますけど?」
ほら、こんな冗談も言える