第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
姫凪さんを抱き締めて
首筋にキスを落とし
大きな胸に手を伸ばして
ヤワヤワと形を変えてジャレつき
暖かさと甘い香りと
『そ、れ、は
可愛いないで…すっ
怒るよ…!』
いつもの声で必死に
満たされた事にする
「…それは残念
ウサちゃんリンゴ作るから
許してくださいね
行きましょう?
俺も酔い覚ましに
苦いコーヒー飲みたいですし」
『フフッ
じゃあコーヒーは私が淹れるから
トーストとウサちゃんリンゴお願い!
駅まで一緒に歩こう?』
寄り添って寝室を出て
一緒にキッチンに入り
並んで朝食の支度をする
うん、俺は幸せだ。
隣で湯気に包まれる姫凪さんを
見つめて
「今日迎えに行く
終わったら連絡くださいね」
甘いキスを一つ。
『うん、来て…欲しい
でも…良いの?
仕事終わりは自主練あるから
結構遅くなるよ?
今日はカラーリングの練習を
仲間としようって言ってるからさ
終電間近になるかも…』
「良いに決まってるでしょう
俺が逢いたいから行くんですから
今日は飲まないし
寝ないで待ってるから
連絡して、ね?」