第71章 ♓最高のプレゼント(月島蛍)
「バ、バカじゃない!?
しないよ!猿じゃあるまいし!」
『え?しないの?
朝も一回しか…』
「ちょ、余計な事言わないっっ!
しないったらしないんだよ!」
「聖なる夜に健全だなー?蛍くん
じゃあ、俺、帰ってこよーっと
行ってきまーす」
ゲラゲラと笑ってアニキが去り
嵐の後のように静かになったリビング
「えっと…」
『…ケーキ食べよっか?
あ、蛍はご飯も食べてないよね』
「それはキミもデショ
食べないとケーキ食べちゃだめだよ
今日は何作ったの?」
なんとなく
気まずくてわざと話を
健全な方向に振る
『今日はバイト入ってたから
そんなに凝ったもの作れなくて
お肉あったから生姜焼きとか…』
「美味しそうじゃん
一緒に食べよう
ケーキはその後でね」
『はーい…お風呂も湧いてるけど…』
「…入って来る。
スグ…戻るから」
本当は一緒に入ろうって
言いたかったけど
エッチしない宣言した手前
ヤッパリなんとなく健全ぶりたくて
一人バスルームに向かった
「あんな事…言わなきゃ良かった。
なんか、広すぎて落ち着かないや」
普通の家庭のお風呂だ
広すぎるわけない
僕の背丈を考えれば
どちらかと言えば狭いんだ
だけどさ
いつもキミを膝に乗せて
入ってるからかな
やたら広く感じるよ