第71章 ♓最高のプレゼント(月島蛍)
『え?プレゼント?』
「姫凪…の…ちょうだい』
息でもするみたいに
姫凪を引き寄せて
何かを耳打つ
何を言ったかは
想像できるけど
敢えてしない
なんでかって?
『あ、明光くんのエッチ!!
そんなのあげられない…!』
「えー?去年はくれたぜ?
ダメ??」
『だめーー!』
「必死か!可愛過ぎンな、マジで!」
「だーから!
僕のだって言ってるだろ!
もう帰れよ、バカアニキ!!」
僕だって…その…
拗ねるんだよ!
文句ある?!
姫凪をアニキから引き剥がし
胸に包んで
無駄に爽やかな顔を睨み付けると
「ブッフォッ!
姫凪より必死だな蛍!
ハイハーイ
言われなくても帰りますよー」
ガタンと椅子を鳴らし
車のキーを握って立ち上がる
「『え!?』」
自分で帰れと言っといてだけど
アニキの事だし
絶対日付変わるまで居ると思ってたから
咄嗟に僕も姫凪も立ち上がる
「嶋田マートさんから
呼び出しもあったし
烏養さんも居るみたいだから
顔出して来る
オッサンだらけのクリスマス会だぁなー」
立ち上がった僕らに
「兄ちゃん居なくて
寂しいと思うけど
今年は我慢してくれな
誰も居ないからって
エッチし過ぎンなよー」
ニヤリと笑って背を向ける