第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
「サボろうとしてる所を
北さんに見つかって
"猿共(双子)がサボらんように
釘さしてこい"って脅され…ンンッ頼まれた
どうせまだ此処に居るだろうと思ってさ」
「さ、さよか…
侑と姫凪は?」
北さん鬼か!色んな意味で!!
「体育館でもう真っ盛りだったから
もうチョットしてから
殴り込みに行く
二人揃ってリア充とかムカつくから
邪魔しに走ってきた」
なんやて!侑ウラヤマ!
って、そんな場合やない
この盛り上がった気持ちと息子は
どないしてくれんねん!
さすがにドア挟んだ向こうに
角名居るのに盛るのは
鬼畜やし…でも…
ヤッパリもうチョイ一緒に居りたい
きっとサクラも…
「5分で戻るから
シレッと退散…」
「すぐ出るから!」
なんやて!!
まさかのすれ違いー!
"待て"と言う間もなく出ていくサクラ
「あ、本当に出て来た
じゃあ、戻ろうか
治いつまでボケッとしてんだよ」
姿の見えた俺らに満足したのか
角名は一人で階段を降りていく
「治くん」
「なんや?」