第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
アッサリ過ぎる終わりに
否が応にも不機嫌になる俺を見て
クスリと笑いを漏らすサクラが
「…お仕置きは帰ってから
イッパイして…楽しみにしてる」
背伸びをして俺の耳に声を落とす
お仕置き!素敵やん?!
「…好きなだけしてエエのん?」
「もちろん!
5分とかで満足する思わんといてや!
私も…好きなだけする…
治…また後で、な?」
イタズラな笑みの中に
色気をたくさん混ぜたキスで
俺の全部を掻っ攫うサクラ
ヤラレタ感満載で悔しいのに
「しゃあないな
姫さんに頼まれたら断れんやん
何でもしたるよ
サクラ、愛しとる」
幸せがそれを食い尽くす
「私のが愛してる!」
「いや、俺や」
「ちゃうし!」
バカな言い合いに
吹き出した笑いが青を失った天井に
響いて落ちて
二人を包んだ