第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
繋いだ手を軽く振りながら
サクラに話しかける…けど
「…ん…」
メッチャ上の空やん。
「…サクラ?聞いてるん?」
なんやねん。
もっとこう、キラキラしてくれるん
期待してたのに…。
「え!?ごめん!なに?!」
「…いや、つまらん事や」
少し拗ね気味に応えたら
きっといつもみたいに
ソワソワして甘えた声を
聞けると思ってたんやけど
「…そっか…」
期待は尽く空振ってまう
まさか、サクラも誰かに
なんかされたんやないやろな?!
ソワソワさせたかったはずが
逆に俺が落ち着かんくなって
早足で引き込む部屋の中
「サクラ、おいで?」
「うん…」
やっぱり何か変やんな…
合ってるはずの目が
どこか違う所見てる気ぃするんは…
「サクラ、脱がしたい…」
「え?!自分で脱げる…
今日、ズボンやし…」
「アカン。
脱がせたい、言うてんねん…
早よ、来いや」
「ちょ、待って…!」
絶対気のせぇちゃう!
サクラを引き寄せ
ベットに押し倒し
服を脱がしながら肌にキスを
落としていく