第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「サクラなら屋上や!
まだ居るかは知らんけどな!
言うたぞ!姫凪どこやねん!
それによっては俺は今から
学校サボってでも止めに…」
「学校内に居るのにサボる意味
いや、ある意味サボる事になりそうだけど…
部室だよ。
北さんに連れ込まれてた
なんかいい雰囲気だったよ」
なんや、学校内かい
しかも北さんと…
ん?連れ込まれ…って
「二人きりか?!」
「そう言ったじゃん」
アカンやろ!
いや、大丈夫か?
大丈夫でもアカン!イヤや!
たとえ北さんでも俺以外と二人切りとか
断固阻止!!
「すぐ奪還して来る!
おおきに、角名!
…つーか…サクラに変な事すんなや?
アイツは治のンやからな」
去り際一応さした釘が
抜けない事を祈りながら
見慣れた部室へと
また走り出した
部室の前は異様に静かで
二人が居るってのは
ガセかも知らんと思いつつ
耳をくっつけると
微かに姫凪と北さんの声が
聞こえて来る
喘ぎ声やないな、ヨシヨシ…って!
なにをアホな事しとんねん!