第9章 至福の甘さを召し上がれ(灰羽リエーフ)生誕記念日 完結
ポンと胸を叩かれ
押し付けられたモノは……
「!!!」
モロ薄々なアレ
「デリカシー!」
「寝込み襲おうとした
獅子サンに言われたくないですぅ」
ブヒャヒャと笑う黒尾さんが
背を丸めて去って行き
体育館裏は姫凪と
俺だけになった
「『あの……』」
同時に出るのに
同時に詰まる言葉
また少し沈黙が続き
「『あの時は…』」
また重なる言葉
続きもきっと一緒だけど
「待った!俺から言わせろ!
ゴメンな!傷付けて!
我慢できなくて
そんで、えっと…」
謝りたい事はいっぱいあったはずなのに
「とにかく!ゴメン!」
スマートに繋げない言葉