第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
サクラが…
必死に思い出す
さっきまでのサクラの感覚
笑顔、香り、声、仕草…
「…祝いは
プリンでエエ?
コンビニ寄ろや…」
大丈夫、笑える
笑えてる…やろ?
「治…大丈夫か…?」
「なにがやねん
要らんねやったら
買わんだけやし」
聞くな
ツッコむな
笑って祝いの一つでも渡して
「要るっ!
ついでにジャンプ買おて!」
「調子のんなや。
今週お前の担当やんけ
気になってんねんから
サッサと買え」
いつも通りに戻んねん
コンビニで
一番デカいサイズのプリンを買って
侑は渋々ジャンプを買って
家に帰った
道中、侑がなんか話して来てたけど
なんて応えてたか全く覚えてへん
ただ必死に納得しようと
祝福しようともがいてた
そんな簡単に出来へんから
あんな事に
なったんやけど、な。