第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
次の日
「治?
どないしてん?
サッサとせな姫凪ら
行ってまうで?」
「おん…分かっとる。
スグ行く」
「てゆっかお前メシは?」
「要らん。
着替えるから出ろや」
全然いつも通りちゃうやんって
自分でツッコミながら
支度を整えて家を出る
足重いし心重い
アカンと思いながらも
笑える自信ない
別の道で行こうかとか思うけど
姫凪の隣にはサクラも
居るわけで…
サクラが居る。
そう思ったら侑と同じ方向へ
足が出る
サクラが好きなんは
間違いない
それは絶対変わらへん
けど…
「姫凪~!
おはようさーん!!」
その名前を聞いたら
『侑、オハヨウさん
朝からテンション高いねん
まだ眠い…』
侑を見上げて少し照れる顔を見たら
グシャッと胸が潰れそうになる