第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「それお前が言う!?
サラッと奪っといて!
せやからってわけやないねんけどな!
なーんか…アイツほっとかれへんなーとか
思ってたら
どんどんハマってて…
必死で口説いてもーたっ!」
吐き気がする程
自分勝手に
どんどん停止していく思考
グチャグチャの脳みそに
侑の浮かれた声。
鼻には動く度にフワリと甘い
姫凪の香りが届く
「…そうか…良かったやん
で?もう食うたん?
早ない?」
「せやから、お前が言うなや!
まぁ…うん…さっき姫凪の家で…」
あのベットで
お前は最後まで姫凪を…
姫凪…俺は拒否ったのに
なんで侑は…って
考えんな!
状況も違うやろ
俺にはサクラが居るやろ