第9章 至福の甘さを召し上がれ(灰羽リエーフ)生誕記念日 完結
足ドンされた体勢からでも関係ない
喉元に噛み付こうと
胸ぐらに手を伸ばすと
「おう、そのつもり。
つーか…最初から
手出す気ねぇんだけどなァ?」
さっきの凄味は欠片もない
食えない笑顔
「は、ひ?」
「だーから!
別に人の女に興味ねぇし!
しかも布施は
俺にも興味ねぇし!
興味ねぇ同士で何が生まれンですかァ?
0同士が出会っても
0以上になんねぇぞー?」
0?なに?足し算?
止まったまんまの思考回路に
飛び込む数字は処理出来ず
「意味分かんねぇス」
素直な疑問として
口から吐き出される
「…なんで?」
俺の言葉が意外だったのか
目を丸める黒尾さん