第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
イタズラな笑いをこぼしながらも
緊張半端ない顔してる姫凪
こんなにど真ん中やのに
今まで気付かんとか
俺のアホ!!
ただ、気付いたからには
「お前なぁ!
ウソでしたー!とか言うても
もう遅いからな!
アツムクンは
もうスッカリその気やねんからな!」
『…うん…。
分かってるよ…
私かって、嘘でこんな事言わへんもん…
侑、教えて?』
大切に大切に
守らな、な。
「おん、ほな…
姫凪キスして?
お前から…いっぱい。
おまじないしてや。
俺かて緊張するんやで?
解して?お前のキスで」
姫凪の身体を少し離して
"早く"と笑いかけると
『…うん…侑…好き…』
震えた唇がユックリ
オデコやほっぺたに
当たっては離れる