第9章 至福の甘さを召し上がれ(灰羽リエーフ)生誕記念日 完結
なんて言っても後の祭りで
俺の声が虚しく響くだけで
「謝らなきゃ!」
暗い道を必死で走って
見た物は
我慢が足りなかった俺への
罰だったのかも知れない
「姫凪?なんでだよ?」
姫凪の家の手前の公園のベンチ
姫凪と並んで座るのは
俺じゃなくて
「なんで黒尾さん?」
笑う黒尾さんに
釣られる様に笑う姫凪
話の内容は聞こえないけど
楽しそうで嬉しそうで
甘い顔してる
「結局俺がダメだったってコトかよ?」
割り込もうとした足が
ユックリ後退って
俺を家へ運んだ