第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「『美味しい?治くん』」
「おん、美味い…」
「俺は!?
どっちか俺に振れや!
寂しいやろがい!」
箸が進むに連れて戻って来る
いつもの感じ
『忘れてた。
てゆっか侑は何食べても
美味しいやろ』
「肉じゃがチョイ甘い
でも、味噌汁うまっ!
こっちがサクラやろ!?」
『残念でしたー
その味噌汁は私です~』
「肉じゃがは私やよ…」
「俺は肉じゃがが
一番美味いで?
サクラもっと肉食い」
落ち込むサクラの頭を撫でて
「お前もっと肉食い
いっぱい食べな大きくなられへんで?」
俺の小鉢から肉をサクラの小鉢へ