第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
身を乗り出し
口元に付いた欠片を
ペロリと舌で舐め取り
続きを食べ進めようと
身体を戻すと
カチコチに固まった
姫凪が視界に入る
「なに?赤くない?
もしかして…照れた…?」
さっきの比じゃない
初めて見る
真っ赤で固まった顔
おれに照れてる?
さっき、おれがドキドキしたのと
一緒?
『違…ッッ』
なんだ、違うの?
「違うんだ?
じゃあ、なんで赤いの?
暑い?」
違うなら…
「ね?ドキドキしないの?」
一緒にしない?
『し、しな…』
「してよ?」
重心を落として
姫凪の口にまた
アップルパイを運び
「ほら、あーん。」
『自分で…』
「自分で食べてもドキドキしないよね?
ドキドキしてって
言ってるじゃん」
ジリジリと更に距離を詰める