第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
『ちょ!直食い!?』
「おれのだし」
二口目を切り取って
口に運ぶと
『私も食べたかったのに!』
プクッと頬を膨らます
あ、そっか
そこは考えて無かった
おれの食べ掛けとか
嫌だって事かな
「ごめん。
こっちは口付けてないから」
まだ綺麗な面をくるりと
姫凪にむけて
新しいフォークを突き刺すと
『いや!そうじゃなくて!
この方式だと
最終的に、その…
私の食べ掛けも食べさせる事…に…!』
オドオドしながら
フォークをお皿に戻す
何だ、そっち?
おれが嫌がると思ったんだ
「ダイジョブ、気にしないから」
言ってから
フト思う
なんで、ダイジョブ?
普通なら
『え?イヤじゃないの?』
嫌だよね?多分。
こんな状況経験ないけど
「嫌ならダイジョブなんて
言わないから
ほら、食べなよ?
美味しいから」
きっと、こんな事言わないし
『いや…一人で食べられる!』
「食べなって、ほら、あーん」
こんな事だってしない
なのに変だな。
してみたい衝動にかられちゃう。