第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
「プッ…!ホールなの?」
一人じゃ食べ切れないサイズに
思わずお腹を抱えると
『え!?だって!
レシピ通りにしたら
この大きさに…』
ベーん!って顔して
ションボリ俯いた姫凪が
『残ったら
バイト先とか大学で配るし…
食べられるだけ食べて
残していいよ』
大きなアップルパイを
ナイフで切り分けようと
手を伸ばした
大学生なんだ。
バイトもしてるんだ。
クリアになる
姫凪の情報も
興味深いけど
誰にお裾分けするのかが
気になった
もしかしたら
バイト先とか大学とかに
あの元カレも居たりして
そいつに分けるとしたら…
なんか…ヤダ…な…。
ナイフが入るより早く
置かれたフォークで
アップルパイを刺して
「おれに焼いたんでしょ?
他の人に食べさせるの禁止」
無造作に切って
口に運んだ